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「惜しい敬語」コラム<第1回>

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よくレジで聴かれます。「レジ袋ご利用されますか?」と。
その時、私は、心の中でつぶやいています。

『おしいなぁ。丁寧に言ってくれているつもりなのよね。
気持ちは分かるけど、敬語を間違って使っていますよ。』と。

正しくは、「レジ袋利用されますか?」
または、「レジ袋ご利用なさいますか?」「ご利用になりますか?」ですね。

 

何にでも「お・ご」を付けると丁寧で尊敬語を使っていると思い込むのは、要注意です。

 

謙譲語にも「お・ご」が付くのですから、間違って相手を謙譲語の主語にしてしまうこともあり得ます。

 

それが、この「レジ袋ご利用されますか?」です。

 

この「レジ袋ご利用されますか?」のどこが、惜しいのかを分解してご説明します。
謙譲語としての「ご~する」。
例えば「(わたしが)ご説明します」「(わたしが)ご案内します」。
これが、謙譲語の正しい使い方ですね。

 

それを踏まえると、「ご利用されますか」
この「ご」利用「さ」の「さ」は「する」のサ行変格として考えられるのです。
この「ご利用さ」までが、謙譲語。

 

それに尊敬語の「れる・られる」が付いているわけです。
謙譲語+尊敬語という誤用の言葉になってしまったわけです。

 

尊敬語は、相手が主語ですね。「ご・お~なさる。お・ご~になる」
そして、「れる・られる」 ここには、「お・ご」は付きません!

 

「レジ袋、(あなたは)ご利用なさいますか」
「レジ袋、(あなたは)ご利用になりますか」
「レジ袋、(あなたは)利用されますか」が正解です。

 

「ここは、先生がよくご利用になるお店ですね」
(間違っても、「ご利用されているお店ですね」なんて言っちゃダメですよ!)
「今、先生が、お話しなさっています」

 

ここでワンポイントアドバイス。
「れる・られる」の尊敬語は、「ご・お~になる。ご・お~なさる。(なる敬語)」(ex. ご使用になる。お使いになる)より「敬意度が、低い」と言われています。
敬意を高めた言い方をするには、できるだけ「なる敬語」(ご・お~になる。ご・お~なさる)を 使った方がいいでしょう。
ただし、「なる敬語」が、なじまない言葉もあるのでご注意くださいませ。
例えば、「頑張る」→「お頑張りになりましたね」は変ですね。

 

オマケにもう一つ。
尊敬語の「なさる」について。
動作性の名詞「案内・発表・提案」といったような動作性の名詞に「する」を付けると名詞が、動詞になります。
この場合に付く尊敬の「なさる」は、「ご」を付けても付けなくても正しいとされています。
付けない方が、スマートに聞こえるものもありますね。
「先生が、今、発表なさっています」が○です。

(文:ましのせつこ)

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