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「ましののボヤキ『ならないのに“なります”は間違い!』」言葉こころ所作研究所コラム<第3回>

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タイトルの通り、今回のコラムはましののボヤキです。
言葉こころ所作研究所の所長としては、妙な言葉を聞くとボヤキたくなるのです。
どうぞ、聞いてやってくださいませ。

もう「なっている」のに「なります」と言っている日本語が、あまりに多すぎて困っています。

まず「なります」だけを考えましょう。
「なる」という動詞の意味は以下の通りです。
・今までと違った状態、形にかわる。
・時の経過をともない変わる、ある時分、時期に至る。
・ものが新たに現れる。また、前の状態から別の状態に移る。

そうです。状態が変化することを表すのです。

今、通信講座でとある資格試験の勉強をしています。
その講師の話す日本語が間違っているため、どうしても講座に集中することができません。
というのも、何にでも「なります」を使っているのです。
丁寧に言いたいのでしょう。
気持ちは分かるのですが、間違っています。

「このテストは、○○社の発行になります」
(もう、発行されているでしょう・・・)と心でつぶやく私がいます。
「こちらが、根拠になります」
(だからもうなっているでしょう!)

説明の多くに、「なります」を付けているため、その度に(あ~ここでも)と泣きそうになってしまいます。

なぜ、間違えて使うのでしょうか?
きっと敬語の尊敬語で「お・ご~になる」を意識してのことでしょう。
「先生が、こちらの木をお植えになります」
「先生が、ご覧になります」
先生の動きを尊敬語で表しています。
おそらく動詞に「お・ご~になる」を付けて、
さらに丁寧語の「です・ます」を付けた表現を使いたかったのでしょう。

「お・ご」を付けないで、ただ「なります」という言葉だけでは、敬語にはなりません。また、名詞に「なります」をつけても尊敬語にはなりません!

上に書いたように「なる」という動詞の意味は以下の通りです。
それぞれに例文を挙げてみました。
・今までと違った状態・形にかわる。
「信号が赤から青になりました」
・時の経過をともない変わる、ある時分・時期に至る。
「結婚して来月で30年になります」
「朝になると小鳥がやってきます」
・ものが新たに現れる。また、前の状態から別の状態に移る。
「絵の具の白と赤を混ぜるとピンクになります」

以上が正しい「なる」の使い方です。

お願いです。
難しく考えないで普通に話してくださいm(__)m
「です・ます」でいいです。
「○○社が発行しています」
「こちらが根拠です」

以前はファミリーレストランでよく耳にしました(最近は直してきたところが多いようですが)。

「こちらが珈琲になります」
(えっ、今は抹茶か何かなの?手品で変えてくれるの?やって見せて!)
などと心で呟いていました。
もちろん変わるわけもなく、珈琲は珈琲のままでした。
言葉だけか・・・とがっかり(笑)。

ピンクの靴を見せて「こちらがピンクの靴になります」
違います!!
普通に言いましょう。
「こちらがピンクの靴です」○
話し相手にどうしても丁寧に伝えたいのなら
「こちらがピンクの靴でございます」○
と「でございます」を使いましょう。

先ほどの「白と赤の絵の具を混ぜるとピンクになります」
を思い出してくださいね。
混ぜたら変化してピンクになるのが正解!

もちろん正しい使い方をしている方もいます。
先日、とても素敵なお店のオーナーが、「この地に店をひらいて、今年で150年になります」と言っていたのを聞いて(さすが!時の経過と共に150年になったのですから「なります」。これは正解!)と心で呟いていました。

長くなりましたが、状態が変わらないのに「なります」を付けないことを皆様にお願いして、ボヤキはお終い。

ありがとうございました。

(文:ましのせつこ)

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