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「欠勤連絡のメールに“すみません”は御法度!」言葉こころ所作研究所コラム<第4回>

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先日、高校生を対象に「社会人と高校生の違いを知ってもらう」というテーマの研修を行いました。

その研修の終わりに、一人の男子生徒が「質問があります」と真面目な顔をしてやって来ました。

彼の相談は、「アルバイト先へ送る欠勤連絡のメール文を添削してほしい」というものでした。

彼が見せてくれたメールの文章は、こうでした。

「今日は、放課後に担任との面接があっていけません。すみません」

高校生としては、精一杯の説明とお詫びの言葉を言っているのですから合格でしょう。
しかし、社会人としてのマナーや基礎知識の研修を受けた後のメールとしては、ちょっと力及ばず、でした。

私は彼のメールを見て、心から反省しました。
「あ~、私の説明は、尊敬語や謙譲語、丁寧語を理解している人への一歩踏み込んだ説明だったのだ……申し訳ないm(__)m 私の説明の時間は、この子からすれば、さぞ退屈で意味不明だっただろうな」と。

そして、「よくぞ授業の終了後に来てくれた。
そして自分の書いた文章を見せてくれた」と彼に感謝しました。
きっと、彼にとってそのアルバイト先は、とても大切な存在なのでしょう。
だから、習った敬語を使って自分を高めたいのだと感じました。
そして「相手を大切に思っていることは、敬語を使って表現できる」ということが、ちょっと伝わっていたようで、嬉しかったです♪

メールの文面は、もちろんその場で直しましたよ。

「惜しいね。丁寧語だけでもいいけど、折角だから今日の講義で聞いた敬語やビジネスとしてのメールの基礎も入れてみようね。それと『すみません』はビジネスでは、謝ったことにならないの。 『自分の気持ちが、あ~すまないな~』と思った時の言葉が、「すみませんでした」になるのよ。このメールの『すみません』は、『申し訳ありません』に変えましょうね」

さらに、「もう少し付け加えて、『始めの挨拶と自分の名前』を最初に書きましょうね」と彼に伝えました。

そのようにアドバイスしながら添削したメールの文面は以下のようになりました。

○○店長
おはようございます。○○高校2年の○○です。
今日のシフト勤務についてご連絡いたしました。
大変申し訳ありません。今日は、夕方からの仕事をお休みさせて下さい。
放課後に担任との面接が入ってしまい伺うことができません。
急で大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

その時、私のもとへ相談に来た彼は言葉にとても興味を持っていて、「知りたい!」という顔をしていたのを覚えています。

相手を大切に思っていればこそ、人は言葉を選びます。
これでいいのかと調べたり、人に聞いたりするのは当然です。
誰かに、「これでいいのかなぁ」と尋ねていいのです。

「これから世に出て行く子どもたちに相互尊重の言葉を伝えられる大人」が増えてほしいと切に願います。

(文:ましのせつこ)

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