敬語の5分類「謙譲語Ⅱ・丁寧語」
まず思い出してみてください。丁重語とはどんな言葉だったでしょうか?
丁重とは、丁寧をさらに丁寧にしたことです。
丁重語とは敬語の5分類のなかで、謙譲語のⅡに相当します。
謙譲語Ⅱ=丁重語は自分側の行為、そのほかの物事を話している相手に対して丁重に述べることを言います。
※謙譲語ⅠとⅡの違いは、以下の表をどうぞご確認くださいませ
⇒
敬語の5分類はこちら
先ほどの表の中にある「伺う」と言うのは謙譲語Ⅰですが、「参る」と言うのは謙譲語のⅡ、丁重語です。
もう少しこちらを詳しくお伝えして参ります。
「お伝えして参ります」これが丁重語ですね。
「皆様にお伝えしていきます」と言うのを丁重に言うと「お伝えして参ります」と使います。
【例1】とある歯科医院での研修で
先日、ある歯科医院で研修を行いました。
その際にスタッフから質問がありました。
『患者さんに、「今から院長がここに来ます」と言うのを、
医院長がいらっしゃいますって言ったらおかしいですよね?』
という質問です。
確かにそうです。医院長を尊敬語で患者さんに向けて言うのはおかしいです。
では、なんと言ったらいいのか?
「医院長が来ます」だとぞんざいな気がしますね。
このような時に、患者様に対して丁重に話す場合、
「医院長がすぐに参ります!」
と言いましょう。
「医院長が来ます」を患者様に対して丁重に言っているということになります。
尊敬語で「医院長がいらっしゃいます」というのは間違いです。
【例2】街で友人にばったり会った時
この「参る」を使った例をもうひとつご紹介します。
ある時、街でばったり友人に会いました。とても品の良い友達です。
友人から「あら、どちらにいらしたの?」と聞かれた時。
「弟の家が近くにあるので、弟の家に参りましたのよ」と答えましょう。
何か品が良いでしょう?
「弟の家に参りました」
これも「伺う」という謙譲語のⅠを使うとおかしいですよね。
「弟の家に伺いました」では、弟を立てることになります。
「弟の家が近くなので、この辺に来ました。」を「弟の家に参りましたのよ。」と話すと、この「参る」は非常に丁重に相手に伝えています。
まとめ
「行ってきます!」の「来ました」が「参る」です。
「行く」も「来る」も「参る」を使って結構です。
「行ってきます」と言っている子供に「行って参ります」と言ってみてもらいましょう。
大人になってから「行って参ります」が使えると、言っている本人がとても品格が上がって聞こえます。
今回は「参る」についてお伝えしました。
「参る」と「伺う」が違うように、「申す」と「申し上げる」も謙譲語の中で使い方が分かれます。
次回は「申す」(謙譲語Ⅱ・丁重語)と「申し上げる」(謙譲語Ⅰ)についてお話しいたします。
さあ、丁重語についてまだまだ続けて参ります。
皆様が話している相手に品よく喋る話し方として、もう少し考えていきたいと存じます。
それでは皆様、今日も良い1日をお過ごしくださいませ。
またお目にかかりましょう!
ごきげんよう💖